ジェンダーマイノリティと明日を生きる創作誌

ミノリトについて

ミノリトはジェンダーマイノリティ/セクシャルマイノリティを主題とした創作物を取り扱う雑誌&レーベルです。
現在は有志の作家が集い、リトルプレス(自費出版)の形で創刊を予定しています。

アルファベットでMiNoRi+と表記します。
少数者を意味する「minority」と、日本語で共にあることを意味する「と」を繋げた造語です。
本誌がジェンダーマイノリティと共にあること、社会とジェンダーマイノリティを結びつける鎹(かすがい)であることを示しています。

私たちは言葉に耳を傾けてもらうことで、傷を癒やしたり、失ってしまった自信や尊厳を取り戻せることを知っています。
しかしジェンダーマイノリティにとって、それは決して容易いことではありません。
ただ、語るべき言葉はそれぞれが既に持っています。

一方で、私たちには物語が必要です。
人は物語を通してあらゆることを体験し、ときに明日を生きていくための力を得ます。
しかし自分に向けられた物語がなければ、自分はひとりではないと感じることができなければ、それも難しいでしょう。

私たちは私たちの言葉を物語として語ることを必要としています。
足りていないのは双方を繋ぐ手段です。
ミノリトがそれを担います。

物語には人を動かす力があります。
自分を表現したい時、仲間がいなくて不安に思った時、ミノリトがあなたとともにいます。
マイノリティについて知りたいと思ったなら、物語を読むことで世界を広げることができるはずです。
ミノリトから物語を届けることで、私たちはすでにこの社会に共にあること、異なる属性を持っていても共に生きていけることを、全ての人に示します。

安心して読める・発表できるレーベルをつくりたい

世の中にはたくさんの物語が溢れています。冒険、恋愛、スポーツなど、多岐にわたる物語の中でキャラクターたちは様々な活躍をします。
しかしジェンダーマイノリティが現れる作品は少なく、主題ともなればごく僅かです。

多くのマイノリティたちは、世に進出する物語が自分に向けられていないと落胆した経験を持っています。
私たちはいつでも、自身とアイデンティティの重なるキャラクターの物語を求めていました。

今日、ジェンダーマイノリティを主題とした作品が少ない理由は、単に当事者の母数が少ないからだけなのでしょうか?

アイデンティティを公表することで、自身がコンテンツの一部となり好奇の目に晒されることを案じた作家がいたはずです。
非当事者が描く物語は、当事者の読者の信用を得られないのではと諦めた作家がいたはずです。
マイノリティをテーマとして扱うことはセンシティブでリスクがあると、編集部から突き放された作家がいたはずです。

ジェンダーマイノリティへの理解が進んでいるとは言い難いこの社会において、当事者が自らのアイデンティティを明らかにするのはリスクを伴うことです。

ミノリトでは、属性を理由に誰かを排除することはありません。
また、作家自身のジェンダー/セクシャルは問いません。
作家自身のジェンダー/セクシャルについて公表することもいたしません。
どんな自分を表現してもいい。ただし、そのために他者の属性を排除することは許しません。
プライバシーを守り、誰でも一人の作家として安心して作品を発表できる、そんな場所を提供できるよう徹底して努めます。

このレーベルを訪れれば、安心して作品を楽しむことができる、自分を理解してくれる作品に出会える。
このレーベルに作品を持ち込めば、偏見から門前払いされることなく作品作りに注力できる。
それが、ミノリトの目指す姿です。

創作は、傷つくことを恐れるマイノリティを守るための盾にも、知る機会がなかった多くの人に大切なことを知ってもらうための声にもなれるのです。

生きたかった物語を、生きられるこの場所で。
ミノリトは、創作の力を信じています。

ミノリト編集部


イトノケイ 漫画家 / 編集

Kei Itono

ジェンダーだけでなく、あらゆるマイノリティのための娯楽やエンタメが、たくさん増えたらいいなあと思います。


藤城まり子 漫画家 / 編集

Mariko Fujishiro

全ての人の生活が豊かでありますように


わだめぐみ 編集 / 校正

Megumi Wada